見ているこの世界は、どこまで真実なのか?脳科学から見る「世界の見え方」

こんにちは、遠野です。

最近、衝撃的なことを知りました。

「黄色は人には見えない」。

光の三原色は赤、青、緑なので、黄色を感知するという感覚が人間にはないそうです。
赤と緑を認識するときにそれを人は「黄色だ」と感知しているにすぎず、黄色を感じ取れる能力は人間に備わっていないとのこと。

何を言っているのかよくわかりませんでしたが、非常に興味深い動画を視聴していろいろと知ることができました。

今見ている世界は果たして、どこまでが見ていて、どこまでを「感知」しているのでしょう。

そんな人間の脳の未知なる力を、研究されている池谷 裕二さんという方のお話です。

「感じ取れる」から、「見えている」と錯覚する脳

「第38回日本神経科学大会 市民公開講座」という講演会のような催しでのお話が、YouTubeで公開されていました。

先ほどの「黄色は見えていない」という話と同様、人間には感じ取れないものがたくさんあります。

赤外線、紫外線、X線、などなど。
そういったものが見えたら、世界はどう映るのでしょうか。

生物は目や耳などの感覚器官を用いて、光や音などの環境情報を電気シグナルに変換し、それらを脳内処理しています。しかし、考え方を変えれば、自然界に存在する環境情報のうちの限定的な部分のみを感じとっているにすぎないともいえます。

https://www.youtube.com/watch?v=IWit9QzIDBU 概要欄

今は測定器という様々な機器によって、世界に赤外線が存在するんだ、ということが判明しています。
それを感知する動物も、実際いるそうです。(ヘビがそうらしいです。)

その中でも、池谷さんは一つ挙げて実験をされていました。

地磁気。
方角のことです。北がどちらかわかる、南が「見える」。

スマートフォンにも搭載されている地磁気センサーを、実験用のネズミに装着して実験をすると、やはり方角は「見えている」という結論に至ったそうです。

新たな感覚ですよね。
人間の脳で試して方角が見えるようになったら、人はまた一つの感覚を感知します。
そうすると、見えるから存在すると認識できる、それを繰り返すと人間の脳はどんどん世界を認識し、処理をしていくようになります。

人間の脳はまるでF1のエンジンのようで、身体がドライバーだと例えられていました。

とんでもないスピードで走る力はあるのに、ドライバーの頭の中には近所の地図という世界しか認知していないので、やっていることはF1の車に乗りながらコンビニに買い物に行っているようだ、とのことです。

人間の脳は、身体のセンサー以上に発達しているため、まだまだ処理できるキャパ、潜在的な力は秘めているそうです。

人間の脳はどこまでいくのか

地磁気の感覚を同じように応用すると、それだけでなく赤外線、X線、電磁波、ラジオ波、放射線など、いろんな情報を脳に送ることもできます。

どこまで感覚は広がるのでしょうか。
どこまで脳は処理できるのでしょうか、どこまでいくと、パンクしてしまうのでしょうか。

最後に池谷さんは、脳の可能性について説かれています。

何も自分だけに留めず、他人の感覚ももらえばいい、ということもおっしゃっています。

相手は一人でなく、世界中の脳をつないでもいい。
そうすると、自律性が確立され、新しい感覚、集合知、つまりは新しい心の形が生まれるかもしれません、と。

人と人とのsessionが、新たな概念を生み出すかもしれません。

こういったことを考えられているのが「池谷脳創発プロジェクト」というご自身が取り組まれているプロジェクトのようです。

これからの最先端技術を用いて、脳の可能性をどこまで引き上げていけるのか、とても興味深いです。
今後も大注目の分野です。