Society5.0が目指す超スマート社会で起業したい人は未来技術の知識が必須?

内閣府HP

こんばんは、ヤマトです。

スポーツの秋、食欲の秋、読書の秋。
最近の休日はいかがお過ごしですか?

個人的には、漫画を読むことも立派に読書の秋に含まれると信じています。
今月は『鬼滅の刃』の最新巻も出て、映画『鬼滅の刃 無限列車編』も公開されて、早く観に行きたいと思っています。

『鬼滅の刃』は大正時代の話ですが、逆に近未来を描いたアニメも多くみられます。
例えば、下記のようなものがあります。

・『ソードアート・オンライン(SAO)』はVRやARが発展した未来の話
・『攻殻機動隊』はマイクロマシン技術、サイボーグ技術やアンドロイドが発展した未来の話
・『PSYCHO-PASS(サイコパス)』は人工知能(AI)に支配された未来の話

このように、アニメや漫画で描かれる未来もありますが、国が提唱している未来社会の姿があることをご存知ですか?

その名も【Society5.0】

内閣府のホームページには、

サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)

Society5.0とは -内閣府ホームページ

と記載されています。

嶋村さんと出会ってから、起業について考える機会が多いのですが、新しい技術により社会が大きく変化するタイミングには、ビジネスチャンスが多く転がっています。
そこで今回は、Society5.0が目指す社会にマッチする起業について考えてみました。

Society5.0で目指す超スマート社会とは

Society5.0で目指している超スマート社会は、

必要なもの・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会の様々なニーズにきめ細かに対応でき、あらゆる人が質の高いサービスを受けられ、年齢、性別、地域、言語といった様々な違いを乗り越え、活き活きと快適に暮らすことのできる社会

科学技術基本計画

とされています。

Society5.0は、2016年に第5期科学技術基本計画で提唱された考え方です。
狩猟社会(Society1.0)、農耕社会(Society2.0)、工業社会(Society3.0)、情報社会(Society4.0)に続くような新たな社会を生み出す変革を、科学技術イノベーションが先導していくという意味が込められています。

今後は、超スマート社会を実現していくためのサービスを提供する形での起業が増えていきそうです。

Society3.0やSociety4.0での起業の特徴

今まではどのように起業していたのでしょうか?

工業社会(Society3.0)は、ものづくりの時代で、皆さんも歴史の授業で習ったような18世紀半ばからの産業革命によって、最初は綿織物などの軽工業からはじまり、エネルギー革命により重化学工業へと変化していきました。
高度経済成長期を通して「ものづくり大国・日本」を支えた会社がSociety3.0で起業をしています。

情報社会(Society4.0)は、まさにネットに接続することが当たり前になった今の時代です。
考えてみると、1995年にMicrosoftのWindows95、1998年にWindows98やAppleからもiMacが発売され、一般家庭にパソコンが普及してから個人がスマホを持つようになったのもここ20年くらいでの話です。
初期はパソコンを作るような企業から、近年ではネットのコンテンツを作っていくような会社がSociety4.0で起業をしています。

個人的に、起業という言葉で最初に浮かぶドラマが、石原さとみさんと小栗旬さんが主演している『リッチマン、プアウーマン』です。このドラマでは情報社会(Society4.0)の起業を描いています。

君は企業生存率というのを知っているかね。株式会社は30年でその99.98%が消える。
つまり、100の会社が生まれても、30年後にはほぼ1社も残っていないということなんだ。
生き残るのは奇跡に近い。みんなギリギリのところをくぐり抜けて生き残ってきたんだ。
その結果国を代表する企業になったものもある。

リッチマン・プアウーマン

今は大企業として認知されている企業も、必ずスタートアップの時期はありました。Soceity3.0やSociety4.0で起業し、熾烈な競争を生き残ってきた企業が、世間にも認知され、就活生が入りたい企業ランキングなどに名を載せるような企業になっています。

Society3.0や4.0の起業の例

トヨタ自動車(Sosiety3.0)

「Best Global Brands 2019」でも7位となっていて、自動車メーカーとして知らない人はいない会社ではないでしょうか。余談ですが、個人的にはLiSAさんの紅蓮華をアレンジしたアクアのCMが好きです!

トヨタ アクアcm(紅蓮華)

ただ、元々織物機械の会社だったことは初めて知りました。1906年に豊田喜一郎さんが豊田商会から株式会社に変えた豊田式織機株式会社からスタートしているようです。

(参考)トヨタ自動車 文章で読む75年の歩み

株式会社キーエンス(Society3.0)

平均年収が高い会社として必ずランクインしてくる企業で、何をしているかは知らなくても、社名を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
新商品の70%が世界初、業界初の商品となるほど、付加価値の高い商品の企画開発にこだわっているメーカーです。

また、ファブレス経営という工場を持たない経営をしています。
ファブレス経営について気になる人はこちらの記事も読んでみてください。
「稼ぐには長所でめしを食う!?開発に特化させたファブレス経営とは」

創業者である滝崎武光さんも世界資産ランキングで47位と日本人ではファーストリテイリングの柳井正さんに次いで第2位。
2020年フォーブス世界長者番付のフルリスト

滝崎さんが20代までに2度の起業と倒産をしたのちに、1972年にキーエンスの前進であるリード電気を設立したことから始まった会社です。
1986年に現在のキーエンスに社名を変更しました。
ちなみにキーエンスの由来は”Key of Science” だそうです。

(参考)株式会社キーエンス 沿革

株式会社サイバーエージェント(Sosiety4.0)

起業というとITをイメージする人が多いのではないでしょうか。1998年に「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンを掲げ藤田晋さんが創業した会社です。
ブログサービスの「アメーバブログ」をはじめ、テレビ&ビデオエンターテイメントの「ABEMA」など、サイバーエージェントのサービスを使われている方も多いのではないでしょうか。

藤田さんは株式会社インテリジェンス(現 パーソルキャリア株式会社)で営業をしながら、入社1年目から起業に向けてうごいていたそうです。
入社1年後の1998年にはサイバーエージェントを設立されています。

最初のサービスは、自社開発の広告商品「サイバークリック」でした。
当時はインターネットは儲からないと言われる中、ネット広告に目を付けてクリックしたら料金が発生するというクリック報酬型広告のサービスを開始しました。
今ではアフィリエイトなど当たり前のようになっているネット広告の普及にも携わりながら、2000年に当時史上最年少社長として26歳で東証マザーズ上場もはたしています。

(参考)サイバーエージェント株式会社 沿革

Society5.0での起業の特徴

Society5.0では、IoT(Internet of Things)によってあらゆるモノがネットに接続し、ネット上の空間(サイバー空間)に、巨大なデータ(ビッグデータ)として貯められます。

IoTについて、以前神威さんが記事にしています。
(参考)IoTを簡単に説明! 未来技術がもたらす可能性に注目!!

ビッグデータにあるデータをAIが分析して取捨選択し、欲しい情報を自動に出してくれるようになります。
この点が、ネット上のクラウドにある情報を人が自分でアクセスして分析して取捨選択していたSociety4.0との大きな違いになりそうです。

Society5.0で目指す超スマート社会の実現のために、必要なサービスを必要な時に提供するサイバー空間の構築や、必要なものを必要な時に運ぶ取り組みのためのドローンの運用実験をおこなっている企業もあります。
既に進んでいるものの例としては、

・Apple musicやYouTubeが視聴履歴から自動的にオススメの動画を出していること
・楽天やAmazonがドローンを用いた運搬実験をおこなっていること
・トヨタやホンダが自動運転の実験をおこなっていること

などがあります。

まさにSociety5.0は「未来技術が作り出す世界」
Society5.0での起業は、IoT、ビックデータ、AIやドローンといったものでの起業が増えていきそうです。

Soceity3.0やSociety4.0の時代に既に起業しているメーカーやIT企業が、今までの知見を活かして、IoTやAIを活用する取り組みを行っている場合もありますが、これから参入していく企業も多数あります。

Society5.0を見据えた起業の例

株式会社Preferred Networks

2006年に代表取締役の西川徹さんが、学生時に仲間6人と共に起業した会社。自然言語処理や検索エンジンの開発を目的として設立し、今はトヨタ自動車やファナックとも事業提携をおこない、自動運転に関する取り組みや少量の血液からがんを早期発見するシステムの作成など幅広く事業を行っています。
2020年には、スーパーコンピュータの性能評価で高い省電力性能を実現して、世界1位に認定されるなどの実績も出しています。

(参考)株式会社Preferred Networks Projects

ワクセル

このブログの運営者でもある嶋村吉洋さんは、ワクセルの主宰も行っていて、そのプロジェクトの一環で、ドローン業界に女性の活躍の場を提供しています。
ブロックチェーンやロボティクスといった、まさにSociety5.0に向けた取り組みもされているようですが、嶋村さんからは「詳細はまだ教えてあげられないんだ、楽しみにしててね!」と詳しい話は教えてもらえませんでした。
会社としてというよりは、コミュニティとしてやりたい人を募り、プロジェクトを立ち上げるというのもオンラインサロンのようで新しい形だなと思います。

(参考)ワクセル PROJECT

嶋村さんとサーフィンをして、その後にお話しさせていただいたときに起業についてうかがったことがあります。
嶋村さんは、起業するにあたって常に大事にされてきたのが、チームを作ることだと話されていました。事業やプロジェクトを推進させていくのに、それぞれのプロジェクトごとに個人同士、企業同士の規模は違っても、様々な有識者とチームを組んでやるから事業がうまくいくと話されていて、本当に人とのご縁を大切にされているなと思いました。

今より少し良い未来のために

僕らの仕事は多分大切な人を思うことから始まるんだ。
君たちにもそういう人がいるだろう。だったらその人のために作ろう!
ここで!

リッチマン・プアウーマン

起業のかたちも時代によって様々です。起業するときに共通していることは、今よりも良い未来を作りたい、良いものを提供したいという想いが詰まっているところだと思いました。

今後起業を考える際には、未来技術の取り組みを知って、より価値があるものを提供していくことが重要になりそうです。