こんにちは。
綾部です。
今回は、実業家、投資家、映画プロデューサーとして多角的にご活躍中の嶋村吉洋さんについてです。
サイバーエージェント、朝日放送、オリコン、そしてテレビ東京の個人筆頭株主であり、その保有株式の評価額は数百億円規模に達しておられます。
一見華々しい金融資本の成功者に見える嶋村さんですが、そのすべての活動のベースにあり、嶋村さん自身が「本業だと思っています」と語るものが、他でもない「コミュニティ作り」です。
今回は、嶋村さんの成功哲学の中核をなす「コミュニティ」の概念と、それがどのように彼の仕事と人生を成功に導いているのかを掘り下げたいと思います。
平凡な自分を変える「本業」の哲学
嶋村さんは10代で起業され、16歳で社会に飛び出されています。
その経歴の中で、嶋村さんは、何の取柄もない平凡な私なのですが、【コミュニティ作り】に集中することによって、様々な実績を作りだすことができた、と述べています。
嶋村さんの人生の目的は、コラボレートを通じて、人に夢を与え続けていくこと。
そして、それを楽しむことです。
この目的を実現するための強力なプラットフォームが、嶋村さんが最も大切にするコミュニティです。
嶋村さんは幼少期から商売で身を立てることを目指されていましたが、事業などで志半ばで諦める人が多い現実を知りました。
そこで、「何かをやるうえで、ファンやお客さんは最初からいた方がいい」と気づかれたそうです。
価値観や志向などを理解し、共有する「コミュニティ」があれば、事業を始める際に最初からファンがいる状態でスタートできるのと同じ効果が生まれます。
また、何か問題が起こったときでも、コミュニティから適切な助言や手助けを期待できるため、成功の確率は格段に高まる、というわけですね。
投資家が説く「社会資本」の価値と「17時以降」の戦略
嶋村さんの著書『となりの億万長者が17時になったらやっていること』は、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2025」の「経済・マネー部門賞」を受賞し、話題を呼んでいます。
この本の中では、幸せな人生を送るために不可欠なものとして、「人的資本」(能力やスキル)、「金融資本」(お金や資産)、そして「社会資本」(互いに助け合い、刺激を与え合う人間関係のコミュニティ)の3つが挙げられています。
この中でも、嶋村さんが特に強調するのが「コミュニティ」作りの重要性であり、これは彼の巨額な株式投資にも勝る基盤であると言えるでしょう。
また、嶋村さんは、世の中の人のほとんどが会社員であり、その枠組みの中で成功を望んでいることを理解されています。
その上で、「昼間の給与はきちっと確保して、生活の安全は守りながら、プラスアルファで頑張っていくようなイメージ」を推奨されており、「17時以降の行動を変えることで人生が変わる」と提言されています。
会社という組織の一員であると、合わない人がいても部署の変更などの要望は基本的に通りません。
しかし、17時からは自分が誰と過ごすのかを自分で選べるという点が決定的に重要になります。
嶋村さんは、地方から東京などに出てきて地元のコミュニティを失い、孤独に悩む方が多い現状に対し、17時からは自分と価値観や人生観が合う人がいる「コミュニティ」を探して属するか、自分で作ってしまえばいい、と説かれています。
この時間の使い方こそが、充実した生活を送り、人生の方向を変える第一歩となるでしょう。
健全な成長を追求するソーシャルビジネスコミュニティ「ワクセル」
嶋村さんが強い信念と思いを込めて立ち上げたソーシャルビジネスコミュニティ【ワクセル】は、このコミュニティ作りの思想を具現化されたものです。
ワクセルの目的は、【コミュニティ作りを通じて、人に夢を与え続けていくこと。そして、そのことを楽しむこと】であり、そのビジョンは「健全に学び、チャレンジし、成長し、達成し続ける人が次々と集まるコミュニティを作り続けること」です。
ワクセルには現在、会社の経営者やフリーランス、芸能関係者、アスリート、アーティストなど、1700名を超えるコラボレーターと100を超えるプロジェクトが立ち上がっています。
嶋村さんの活動の多様性、すなわち数百億円規模の投資活動、国際映画祭で受賞する映画制作、そしてコミュニティ運営、これらすべてが「人や情報とつながり、社会にインパクトを与える」という強い目的で結びついています。
嶋村さんの成功は、物質的な豊かさ以上に、「誰と未来を共創し、社会にどのようなポジティブな影響を与えるか」 という、より本質的な価値観が重要であることを教えてくれていると言えますね。