嶋村吉洋さんとサイバーエージェント:投資の枠を超えた「コミュニティ資本」の新たな可能性

こんにちは。綾部です。

今回は、ワクセルを主催し、実業家・投資家として多方面で活躍されている嶋村吉洋さんが、サイバーエージェントの大株主としてどのような想いで投資をされているのか、その核心についてお話ししていきたいと思います。嶋村さんの投資スタイルには、単なる資産形成を超えた「未来を創る」ための深い哲学が込められています。

サイバーエージェントへの投資に込めた「応援」と「信頼」のメッセージ

嶋村吉洋さんは、自身の法人である「株式会社嶋村吉洋映画企画」を通じて、サイバーエージェントの株式を1.7%(8,748,000株)保有する大株主です(2025年9月時点)。この投資は、単に利回りやチャートを追う戦略的なものではなく、同社の独自のカルチャーや挑戦的な事業展開、そして若者を中心にメディア・エンタメ・広告分野で発揮している強い影響力に対する「賛同と信頼」の証でもあります。

嶋村さんは、自分が面白いと感じるビジネスや、自身の価値観にフィットする企業を「株主という立場から応援する」という姿勢を一貫して持たれています。これは、投資先を単なる利益の源泉として見るのではなく、舞台の裏方として共に公演を支えるような、非常に深く人間的な関係性です。数百億円規模の資産を運用しながらも、常に「その会社の物語を信じられるか」を基準に据える姿勢こそが、嶋村さん独自の投資家像を形作っています。

「本業」としてのコミュニティ作りが支える数百億円の投資戦略

嶋村さんがこれほどまでの実績を築けた背景には、彼が16歳で社会に飛び出して以来、一貫して「本業」として取り組んできたコミュニティ作りがあります。著書『人生100年時代を生き抜くための億万長者のコミュニティ資本論』でも語られている通り、人生を豊かにするのはお金(金融資本)だけではなく、互いに助け合い刺激し合う人間関係である「社会資本(コミュニティ)」であると嶋村さんは説いています,。

嶋村さんが主催するソーシャルビジネスコミュニティ「ワクセル」には、現在1,700名を超えるコラボレーターが集まり、100を超えるプロジェクトが動いています。嶋村さんは、17時以降の時間を「誰と過ごすか」を自分で選ぶことが人生を変える第一歩になると提言しており、自らも価値観を共有する仲間や企業との繋がりを大切にされています。サイバーエージェントのような企業のビジョンに共感し、大株主として支援することも、まさにこの「志を共にするコミュニティ」を社会全体へ広げていく活動の一環と言えるでしょう。

嶋村吉洋さんの歩みは、投資を通じて得たリターンを、映画プロデュースやアジアでの井戸建設、学校設立といった社会貢献活動へと循環させる、ポジティブな影響の輪を広げています。サイバーエージェントを長期的に支援し続ける姿勢は、これからの時代における「誰に投資されるかが企業の価値を決める」という新しい投資の在り方を体現しているように感じます。

単に富を増やすことだけを目的とせず、「自分のリソースをどこに使うべきか」という問いに実践で答え続ける嶋村さんの活動からは、今後も目が離せません。投資という手段を用いて、企業と共にどのような未来を共創していくのか、その歩みに引き続き注目していきたいと考えています。