こんにちは。
綾部です。
今回は、「海の中」のインフラを激変させるかもしれない面白い通信技術のトレンドについてご紹介したいと思います。
皆さんは「PLC(電力線通信)」という言葉を耳にしたことはありますか?
普段私たちが電気を使っているコンセントや既存の配線を、そのままデータの通り道にしてしまおうという技術です。
IoT社会の「最後の一押し」を担う次世代技術

最新の調査レポートによると、世界の電力線通信市場は2032年までに約194億5,000万米ドル規模にまで成長すると予測されています。
参照:電力線通信市場:オファリング別、変調技術別、周波数帯域別、産業分野別-2025年~2032年の世界予測(2026年2月9日時点)
特に注目なのが、パナソニックホールディングスさんが推進している「Nessum(ネッサム)」という技術です。
参照:電力線通信技術「HD-PLC」は今―IoT社会のスキマを埋める存在として活躍する「Nessum」の最新動向をパナソニックが説明(2025年12月23日時点)
かつては「HD-PLC」という名称で親しまれていましたが、現在は電力線だけでなく、同軸ケーブルや2線ケーブル、さらには無線まで活用できる「Any Media」な国際標準規格へと進化を遂げているんです。
物理好きにはたまらない!「Nessum」のすごいところ
この技術、IoT社会における「画竜点睛(最後の大切な仕上げ)」とも呼ばれています。他のネット環境では届きにくい「スキマ」を埋める役割が期待されています。
・マルチホップ技術: データをバケツリレーのように中継することで、数キロ先まで通信を飛ばすことが可能です。これなら、広大な工場やトンネル、大規模なビルでも配線工事を最小限に抑えられます。
・フレキシブルチャネル技術: 用途に合わせて、通信速度を優先するか、伝送距離を優先するかを柔軟に切り替えられます。電波が届きにくい地下や、古い配線しかない場所でも、安定した通信が確保できるのは嬉しいですよね。
・強固なセキュリティ: AES 128bitなどの暗号化や、新しい認証システムを導入することで、ビジネスでも安心して使える高い安全性を実現しています。
舞台は地上から「深海」へ
さらに驚いたのが、この技術が「海中・水中」のIoTにも活用され始めていることです。
現在、海底資源の探査や風力発電設備の点検のために、海中ロボットを遠隔操作する実証実験が進められています。なんと、100km離れたオフィスから海中ロボットを操縦することにも成功しているのだとか。
月面旅行も憧れますが、地球の最後のフロンティアである深海が通信でつながり、可視化されていく様子を想像すると、胸が熱くなります。
既存の電気配線をそのまま通信網に変えてしまうPLC、そしてその進化形であるNessum。スマートメーターやビルオートメーション、そして海中探査まで、その用途は驚くほど多岐にわたります。
地道な、でも画期的な技術の積み重ねが、私たちの生活をより便利で安全なものに変えていくんですね。「目に見えないネットワーク」が世界の隅々まで、そして海の下まで広がっていく未来。皆さんはどんなインフラが実現したらワクワクしますか?
また面白い技術トピックを見つけたらシェアします。