21世紀の錬金術 「空気から燃料」を作る日本発のアンモニア革命

こんにちは。綾部です。

最近、ニュースなどでカーボンニュートラルや脱炭素という言葉をよく耳にしませんか?地球温暖化対策は今や世界共通の課題ですが、実は今、私たちの生活を支えるエネルギーの分野で、日本発のすごい技術が注目されているんです。

エネルギーの変換や新しい物質の合成といった話を聞くと、それだけで未来への可能性を感じてワクワクしてしまいます。今回は、「空気から燃料を作る」という、まるで魔法のような最新のトレンドをご紹介しますね。

アンモニアが地球を救う燃料になる?

皆さんは、アンモニアと聞いて何を思い浮かべますか?理科の実験や肥料の原料というイメージが強いかもしれませんが、今、アンモニアは究極のクリーン燃料として熱視線を浴びています。

アンモニアが注目される最大の理由は、燃焼してもCO₂を排出しないという特性にあります。石炭などの代わりに火力発電の燃料として使えば、排出量を大幅に削減できるんです。さらに、水素を効率よく運ぶための水素キャリアとしても優秀で、液化水素に比べて約1.5〜2.5倍も多くの水素を同じタンクに詰め込めるというメリットもあります。

100年の常識を覆す日本発の革新的合成技術

ただ、これまでのアンモニア製造(ハーバー・ボッシュ法)には、400〜500℃、約200気圧という極めて高温・高圧な環境が必要で、膨大なエネルギーを消費するという課題がありました。この100年前の常識を、日本の研究チームが塗り替えようとしています。

名古屋大学のコバルト・バリウム系触媒。永岡勝俊教授らのチームが開発したこの触媒は、低温・低圧条件下でも高い活性を示し、運転コストとエネルギー消費を大幅に削減できるそうです。この技術は、JSTの国際展開プログラム(D-Global)にも採択され、世界市場への展開を目指してスタートアップの設立も計画されています。

参照:STATION Ai株式会社、名古屋大学のアンモニア合成技術により、ディープテック・スタートアップ国際展開プログラム(D-Global)に新規採択(2026年2月25日時点)

東京大学の光合成のような新技術。西林仁昭教授らの研究グループは、窒素と水と光だけを使って、常温・常圧でアンモニアを合成することに世界で初めて成功しました。自然界の微生物の仕組みをヒントに、可視光のエネルギーで反応を駆動させるという、まさに次世代の技術です。

参照:Vol.114 空気からアンモニアを創る!脱炭素社会を加速させる日本の新技術(2025年9月16日時点)

20世紀、アンモニア合成は空気からパンを作る技術として人類を食糧危機から救いました。そして21世紀の今、この技術が地球温暖化の危機を救うゲームチェンジャーになろうとしています。

こうした基礎研究が社会実装され、世界を変えていくプロセスを見守れるのは幸せなことだと感じます。大規模なプラントだけでなく、地産地消型のエネルギー供給が当たり前になる未来も、そう遠くないかもしれませんね。