ワクセルが描くインクルーシブな未来:デフリンピックを機に広がる「垣根のない地域社会」

こんにちは。綾部です。

前回の記事では、実業家・投資家の嶋村吉洋さんの「応援する投資」について触れましたが、その哲学はソーシャルビジネスコミュニティ「ワクセル」の活動にも深く息づいています。今回は、ワクセルが主催した『ユニバーサルイベント』に焦点を当て、2025年11月に日本で初めて開催される「デフリンピック」に向けた機運の高まりと、共生社会への挑戦についてお伝えします。

「デフリンピック」代表候補と共に体験する、垣根のない交流の形

ワクセルは2025年4月29日、東京都大田区にて「垣根のない地域社会」をテーマに『ユニバーサルイベント東京2025』を開催しました,。このイベントの大きな特徴は、同年11月に開催を控えた聴覚障がい者の国際スポーツ大会「デフリンピック」にちなみ、デフスポーツの魅力を発信した点にあります,。

会場では、デフバスケットボールやデフテニスの日本代表候補選手をゲストに迎え、トークセッションやスポーツ体験会が実施されました。選手と参加者が手話を用いて交流し、共に汗を流す中で、子どもたちから「手話ってカッコいいね!」という声が上がるなど、障がいの有無を超えた深い繋がりが生まれていました。また、会場には福祉や教育など多分野から22店舗が出店し、多様な人々が「誰かと一緒に楽しむ」というユニバーサルな空間を共有していました。

東京から大阪へ広がる「あたたかい場」とコミュニティの力

この活動は東京に留まらず、2025年10月5日には「体験」と「あたたかい場」をテーマにした『ユニバーサルイベント大阪2025』も開催されました。大阪会場でも、デフリンピック女子バスケットボール日本代表選手によるトーク&クイズ大会が行われ、大きな注目を集めました。

ワクセルは1,700名を超えるコラボレーターが集まる場であり、イベントの最後にはドラムサークルを通じて参加者、出演者、スタッフが一体となるなど、まさに「全員が主役」になれる場を提供しています。障がいをマイナスではなく「自分らしさの一部」として捉え、自然に席を譲り合ったり車いすを押したりする光景が見られたことは、ワクセルが目指す「応援し合うコミュニティ」が具現化された瞬間と言えるでしょう。

ワクセルの活動は、デフリンピックという国際的な舞台をきっかけに、地域社会の中に「違いを認め合い、支え合う」文化を根付かせようとしています。単なるイベントの開催に留まらず、多様な人々がそれぞれの場所で関わり合い、応援し合うことで、社会全体の「資本」を豊かにしていく姿勢は、嶋村吉洋氏の投資哲学とも共通するものです。

「誰にとっても住みやすい街づくり」は、一人の力ではなく、こうしたコミュニティの連鎖によって実現していくのだと改めて感じます。ワクセルが広げる「垣根を越えた出会いの場」が、今後どのように日本全国、そして世界を変えていくのか、非常に楽しみです。

ワクセルの取り組みは、たとえ言葉が通じなくても、同じリズムで太鼓を叩けば心が通じ合う「言葉を超えた合奏」のように、多様な個性が調和する美しい社会を奏で始めているようです。