AIがスプレッドシートを使いこなす時代、事務の仕事はどう変わる?

こんにちは。

綾部です。

Excelやスプレッドシートを使う上で、「関数が苦手」「データ入力が面倒」「レポート作成に時間がかかる」など、苦い思い出がある人もいるかもしれません。

でも最近は、AIがこうした“ちょっと面倒”な作業を代わりにやってくれるようになってきました。

実際、私も試してみたところ、複雑な式やグラフを指示するだけで作ってくれたり、報告書のひな形を整えてくれたりと、「まるでアシスタントがいるみたい」と感じました。

今回は、そんな「AI×スプレッドシート」の最新事情を2つご紹介したいと思います。

ChatGPTがExcelを自律的に扱う未来

まずご紹介するのは、ChatGPTがスプレッドシートを人のように使いこなすようになってきているという話です。

参照:エクセルはもう不要? ChatGPTに指示するだけでデータ集計や計算を実行(2025年8月2日時点)

これまでも関数の書き方を聞いたり、簡単な表の作成をお願いすることはできましたが、今ではもっと一歩進んだ使い方ができるようになっています。

たとえば、「この売上データから前年比を計算して」「グラフにまとめて」「必要な数値だけ抜き出して報告書を作って」といった複数の作業をまとめて指示すれば、ChatGPTが自動的にスプレッドシートを開いて作業してくれるんです。

このような動きは、かつての「VBAマクロを自分で組む」時代とはまったく違うアプローチです。

Excelの知識がなくても、自然な言葉で指示を出せばAIが作業してくれる——そんな使い方が可能になりつつあります。

もちろん、複雑な関数や業務ルールが絡む部分ではまだ調整が必要なこともありますが、「報告書のたたき台づくり」「定型作業の時短」には十分活用できるレベルにきています。

オフィスソフトを使わない働き方も視野に

ワクセル-嶋村吉洋-住谷知厚-ChatGPT

もうひとつ注目したいのは、AIがExcelやPowerPointの代わりになる動きが出てきているという点です。

たとえば、ChatGPT上でスプレッドシートやプレゼン資料を直接作成・編集できる機能が開発されており、Microsoftのライセンスがなくても資料づくりが完結する可能性が広がっています。

これが実現すると、これまで「Officeソフトをインストールしておく」「ファイル形式を気にする」といった前提が大きく変わるかもしれません。

また、こうしたAI機能は、事務職や営業職に限らず、エンジニアやデザイナーなど、資料作成やデータ整理の頻度が高い人にとっても役立つツールになります。

一方で、「誰でも使える」ことが進むほど、使う人の意図や判断力がより大切になってくる場面も増えそうです。

たとえば、数値の見せ方ひとつで印象が大きく変わる報告書や、相手の立場を考えたスライド構成など、AIが得意でない“文脈”の部分は、これからも人の出番が多い領域です。

AIがExcelのような事務ツールを扱えるようになることで、日常業務の効率は大きく上がりそうです。

しかし、それによって「人の仕事がなくなる」というよりは、「人の時間をより意味のある使い方に振り向けられる」ようになっていくのかもしれません。

スプレッドシート作業の“手間”に時間をとられていた人にとって、AIが担ってくれる役割はこれからますます大きくなっていきそうです。