こんにちは。綾部です。
みなさんは「特許」を読んだことはありますか?
新しい技術やアイデアについて詳しく書かれている一方で、専門用語も多く、一つの特許を理解するだけでも結構大変だったりします。
私も以前、仕事で特許に関わっていたことがありますが、目的の特許を探して、その中身を読み解くには知識だけでなく時間も必要だと感じていました。
そんな特許調査の世界にも、いよいよ生成AIが本格的に入ってきています。
日立製作所は2026年9月、特許情報提供サービス「Shareresearch」に、生成AIを活用した「AI要約」と「AI検索」という新機能を追加すると発表しました。
今回は、生成AIによって特許の探し方や読み方がどう変わるのか、紹介したいと思います。
長い「特許」を短時間で理解する「AI要約」
特許公報には、発明の背景から課題、具体的な技術内容まで多くの情報が書かれています。
今回追加される「AI要約」では、その全文を生成AIが解析し、「技術分野」「対象技術」「課題」「解決手段」という4つの観点から内容を整理してくれます。
つまり、長い文章を最初からすべて読み込まなくても、「これは何の技術で、何を解決しようとしている特許なのか」をつかみやすくなるということですね。
日立の社内検証では、特許1件あたりの内容確認にかかる時間が約5分から約30秒となり、最大90%削減できたそうです。
もちろん実際の効果は調査条件によって変わりますし、最終的な判断までAIに任せられるという話ではありません。
それでも、大量の特許から「詳しく読むべきもの」を探す最初の段階では、大きな助けになりそうです。
参照:PR TIMES「特許情報提供サービス『Shareresearch』に生成AIを活用した新機能『AI要約』『AI検索』を追加し、研究開発部門の特許調査の効率化と特許情報の活用促進を支援」(2026年9月14日時点)
自然な文章から探せる「AI検索」で特許調査が変わる?
もう一つの「AI検索」も面白い機能です。
従来の特許調査では、調べたい技術に合わせてキーワードや検索条件を考え、大量に出てきた検索結果から目的の特許を絞り込んでいく必要がありました。
「AI検索」では、調べたい技術テーマやアイデアを自然な文章で入力すると、生成AIがガイド質問をしながら検索条件の整理を手伝ってくれます。
さらに、見つかった特許についても、入力した調査目的との一致度をAIが評価し、技術分野や課題、解決手段などから順位付けしてくれるそうです。
日立の社内検証では、詳しく読む必要がある特許を100件から20件に絞り込み、精読対象を最大80%削減できたとしています。
参照:日立製作所「特許情報提供サービス『Shareresearch』に生成AIを活用した新機能『AI要約』『AI検索』を追加し、研究開発部門の特許調査の効率化と特許情報の活用促進を支援」(2026年9月14日時点)
これまで特許調査というと、知財担当者など専門知識を持った人が行うイメージが強かったと思います。
しかしAIが「探す」「読む」という部分をサポートしてくれれば、研究者や開発者自身が特許情報に触れる機会も増えていくかもしれません。
そして人間は、特許を探して読むことだけに時間を使うのではなく、「この技術を研究開発や事業にどう生かすのか」という部分に、より時間を使えるようになる。
生成AIによって特許調査のハードルが下がり、特許情報がもっと身近なものになっていくと考えると、これからの知財の仕事がどう変わっていくのか楽しみですね。