海の生態保全や漁業などで活躍が期待される水上・水中ドローン!

こんにちは。綾部です。

今回は、海の生態系の保全や養殖・漁業などへのドローン活用について話したいと思います。

ドローンを配送に活用した例については、以前投稿させていただきました。

また、水上無人運航船のプロジェクトについても以前投稿させていただきました。

客船などの移動手段としての無人船でしたので、今回はまた別の目的ということで紹介したいと思います。

ドローンの海版としては、水上ドローンと水中ドローンがある!

海版のドローンとして紹介する水上ドローンは、海の上を飛行するというよりも海水面に浮かびながら移動するドローンというものに焦点を当てて説明したいと思います。※一般的な言葉の定義と異なるかもしれませんが、ご了承ください。

水上ドローンは、海水面上に浮かびながら移動するものなどがあります。

この場合ですと、アメンボのようなたたずまいで水面を漂うようなイメージが近いかもしれません。

現在水上ドローンとして実証実験されているものでは、KDDI総合研究所の「ブルーカーボン算定に必要な藻場調査の実証実験」があるそうです。

※1 出典「水上ドローンで藻場の撮影に成功!操作は簡単、スマホだけ。KDDI総合研究所」

水面上を遠隔操作で行きたいところに移動できたり、巻取り式のカメラを水中に落とすことで、海中を映像で確認するなどの実証実験を行っているようです。

KDDI総合研究所さんの実証実験は、単純に海面上を移動するためのドローンではなく、水中を映像で確認できることと、さらにGPSを使うことが可能で制度の高い位置情報も得られるという点がすごいなと思いました。

また、実用面でも、サイズが縦3mを超えないように考慮されているとのことです。

これは、サイズによって船舶扱いとなり、免許や専門的な管理が求められてしまうことを鑑みてのことのようですね。

免許などが条件に入ってしまうと色々とハードルが上がりますから、有効性を求めながらも簡易さを確保する検討するのは大事ですね。

もう一つは、水中ドローンです。

水中ドローンは、実際に海の中を潜水して動き回れる無人遠隔操作ロボットです。

他のドローンとの違いは、有線で遠隔操作するドローンがあることです。

小型で動き易いことから有線ドローンが注目されているとの話もあります。

水中ドローンは、無線化の確立が求められている

有線ドローンは小型の面で注目されていますが、有線ケーブルが絡みやすいというデメリットがあります。

一方で、無線で遠隔操作するドローンはケーブルがないため、ケーブルが絡んでしまう心配はなくなりますが、

水の中で、水を媒介しての通信速度に課題があり、有線の方が普及しているという背景があるようです。

この課題に対してはNTT、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズにて海中の音響通信高速化実験が行われており、通信速度の課題クリアに向けた成果もでてきているようですね。

※2 出典:「NTT、世界初の海中音響通信による「無線の水中ドローン」お披露目–浅海域で伝送速度1Mbps/300mを達成)」

地上のドローンでも無線化が確立されたように、水中ドローンも無線化の確立に期待したいですね。

なお、水中ドローンには、ドローンへの制御信号を発信したり、ドローンからの映像を受信したりするための音響通信装置のようなものが別に必要なようです。

大きさにもよりますが、コントローラーと別の装置ということであれば、水中ドローン本体とセットで準備する必要があるため、少しハードルが高くなりそうですね。

そう考えると、まずは水上ドローンの方を選ぼうと思う方も少なくないかもしれないかなと思いました。

水上・水中ドローンがもたらすもの

水上ドローンや水中ドローンは現在非常に注目されているようです。

水中ドローンは国産化の推進へ向けて政府が策定している「AUV戦略」の案の中で取り上げられており、

また、水中ドローンスクール東京校では、水中ドローン操縦技能習得ができるようになっているとのこと。

※3 出典:「スペースワン、水中ドローンスクール東京校6月・7月講習日程を公開」

修了者にはライセンス証発行もしているようですね。

官民や個人でも利用が普及すれば、人々全体として海の中の観測機会が大きく広がることに繋がりますよね。

海の生態系の保全や養殖・漁業などでも、海中のことをより詳しく知ることで活用できると思いますし、海底ケーブルの保守運用などの海中作業にも生かせるかもしれないとのことです。

国レベルの話でいえば海洋資源開発にも活用できるかもしれないようで、今後またどのような活用が期待されているのか調べてみたいと思います。

※1 出典:水上ドローンで藻場の撮影に成功!操作は簡単、スマホだけ。KDDI総合研究所(2022年11月28日時点)


※2 出典:NTT、世界初の海中音響通信による「無線の水中ドローン」お披露目–浅海域で伝送速度1Mbps/300mを達成)(2023年1月26日時点)

※3 出典:スペースワン、水中ドローンスクール東京校6月・7月講習日程を公開(2023年6月7日時点)